◆提 起
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9条改憲阻止闘争は日本域内における民衆の命運にかかわるだけではありません。極東アジアの民衆の命運にも重なる重大な国民的政治課題です。
それと同時に、国境を越えた重要な歴史的課題です。安倍極右内閣による「9条改憲」の野望を断ち切る民衆の力は、そのまま、新しい未来の極東の「アジア・レジューム」創成にもつながります。極東アジア民衆の連帯した闘いこそが、それを可能にします。私たちの9条改憲を許さない闘いはその第一歩であり、このことは行動の基底認識にすえるべきではないかと思います。
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安倍内閣が改憲を発議するためには、各議院の3分の2以上の賛成が必要です。現在、参議院で改憲を発議するには、改憲派の現有勢力は「29議席」不足しています。
もし、今回の選挙でその不足分「29議席」を補うことができなければ、当面、改憲への邪悪な野望は絶たれることになります。その結果は、改憲派が改憲を実現する機会の到来は、3年後=2010年の参議院選に持ち越されることになります。このような参議院に限定した改憲情況から判断すると、国会における改憲発議を阻止するための、最初の重要な水際作戦が、今回の参議院における「3分の1多数派形成」であることが理解できると思います。
さらに、「安倍敗退」が予想されている今回の参院選の結果に続いて、衆議院の動向も視野に入れておく必要があります。小泉=郵政選挙(05年)から起算して、向こう1年〜2年以内には、衆議院選が焦点化します。そのなかで、改憲派も必死で現有勢力の「3分の2多数派の維持」をめざすのは確実です。その際に、それを迎え撃つ総力戦体制が迫られてきます。
このように、私たちは現時点で予想される政治スケジュールを遠望しながら、今回の参議院国政選挙にのぞむ論理の確立、態度の決定、方針の策定が求められています。
3
「改憲手続法」(国民投票法)をめぐる国会前ハンスト・座り込み行動など、今春の院内外呼応した国会闘争は、貴重な教訓を残してくれました。
第1に、行動すること=闘うことが、最高のプロパガンダであるという運動の哲理を示したこと。
第2に、院内の圧倒的少数派(2対48)の闘いといえども、院内外における相呼応した行動は、大きな物質力に転化するこということでした。すなわち、その根拠とすべき指標をしめせば以下の通りです。
(1)議会の審議過程において、少しでも審議を引き延ばし、その欺瞞性を暴露することによって、世論調査の数値(読売、NHK)を微動させたこと。
(2)「改憲手続き法(国民投票法)の衆議院強行採決の翌日とはいえ、マスメディアが「国民投票法を廃案にせよ」(朝日)と社説に掲げたり、「改憲手続法」の問題点や欺瞞性を、はじめて全面的に紙面化したこと。
(3)過去7年間にわたる自民=民主改憲協議体制を崩壊に追いやるという事態が生じたこと。
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これらの事実から引き出すべき明白な教訓とは何か。
それは、今秋から始まる国会憲法審査会の本格的な憲法論戦と、それに連動した院外の大衆闘争が車の両輪であるという、闘争・運動の基本原則を再確認させられたことではないでしょうか。そのような運動のあり方や、闘争の戦略配置を想定する場合、これまでのような階級闘争史観にもとづく、大衆闘争の戦略措定は、きわめて困難な事態にあるという事実は否めません。
の厳しい現状を直視するならば、闘争の戦略・戦術形態もきわめて限定的な形態にならざるを得ないと思います。このような認識を大前提にするとして、いま、政治戦略の基底に何をすえることが必要でしょうか。少なくとも、マスコミの世論調査をみるかぎり、9条改憲反対派が現時点では国民の多数派です。そうだとすれば、改憲阻止の闘いは勝てる闘いです。
の意味からして、勝つための闘い=勝利の陣形の構築が必要不可欠であるという認識であり、この前提命題を、まず何よりも確認することではないでしょうか。そのための一手段として、選挙=議会への転進も必要であり、巨万の民衆エネルギーを結集した一大デモンストレーションをめざした「お焼香デモ」「請願デモ」への原点回帰もありうるし、勝利への確実な第一歩は、この地平から始まるのではないでしょうか。
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私たちがめざすべき9条改憲阻止運動は、
(1)9条改憲を許さないという一点を、唯一の行動基準にすること。
(2)9条改憲阻止が行動目的であり、その実現手段が大同路線であること。
(3)個人参加、出入り自由を原則に、多様性を認めて互いの存在を保証し、相互のせめぎ合いを通じて共同体制を獲得し、この共同体制の実現を可能にする運動の質量だけが、巨大な民衆エネルギーの総結集を保証してくれるのではないか、ということ。
(4)私たちがめざすべき運動の場は、いっさいの政治党派=個別集団による利害の場とは無縁であり、個別集団は運動の利益に従属的であること。
(5)政治目的実現のための知恵と経験を出し合い、どこまでも一人ひとりが意思と行動における実践主体であること。
このような5大原則を掲げた、その見果てぬ夢の彼方というべきかも知れませんが、新たな運動創出を可能にする理念、思想、運動の質をふくむ、そのような運動営為の延長線上にこそ、「3500万人の多数派形成」への展望が開けているのではないでしょうか。
だから、この壮大な「市民連合」は、決して数に還元すべきものではありません。勝利するための道標であり、勝利をもたらす運動理念であり、勝利の結果がもたらす運動の到達点というべきかも知れません。
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今回の参議院選挙活動に関しても、このような運動総路線の有益な一環に位置付けることは可能であり、必要です。過去の歴史の総敗退の結果がもたらした、現在の国政選挙制度のもとでは、個別分断的で非効率的とはいえ、一人ひとりが「たかが一票、されど一票」という仕組みのもとで、さまざまな政治的係わり方と選択を余儀なくされています。そのなかで、9条改憲阻止の意思と決意をこめて、最後には投票行動に結びつけることが求められていると思います。
あとは、最善と思われる決断を期待するのみです。
(初出、07年7月第4週「ちきゅう座」サイト。それに加筆)