朝鮮総連本部の売買問題
「江戸の敵を長崎で討つ」という言葉は古めかしいが、朝鮮総連本部の売買問題にはそんな印象が付いて回る。これは外からの印象であって、真相はわからない。この問題が現在の日本と北朝鮮のこじれた関係をあらわしていることは確からしく思える。
アメリカと北朝鮮の核の外交的解決の道が進展しているのに、安倍内閣は拉致問題の外交的解決の方途も目処も持ってはいない。そこで焦りがあり、と想像するのもあながち間違ってはいないと思われる。
構想も展望も喪失した安倍内閣
問題は明瞭であると思える。北朝鮮問題の解決を心理的にせよ軍事的解決に求めた安倍首相や周辺は外交的解決の道を封じ拉致問題を観念的に語るだけで、その具体的解決の構想も展望も喪失しているということだ。
そして、北朝鮮問題の軍事的解決を主張することで人気を得た安倍内閣は身動きが取れないということだ。さらに、北朝鮮問題の外交的解決などを語ることは、敵対行為のようになり、この問題を語ることはタブーのような状況が続いてきた。誰も北朝鮮問題に触れたがらなくなってきたのである。
それに代わる道は
北朝鮮による拉致は国家的な犯罪行為である、この根源は北朝鮮の権力構造にあり、それを開かせる以外に現在から未来にわたるこの問題が踏み出した不信や不安は解決されない。この統治権力を軍事的圧力(戦争)によって開かせる(民主化させる)という思想がブッシュ政権やネオコンと呼ばれた面々の考えであった。安倍首相やその周辺はそれを模倣したのだが、その行く末はイラク戦争が示している。
どのような道があるか。ここには北朝鮮の権力構造を開かせるにはまずどうすればいいかということがある。それは他国が軍事的に強制するのではなく、韓国も含めた朝鮮の民衆の課題とするしかない。
それならば、拉致問題などにはどう対処すればいいのか。政治的・外交的に解決する道を模索するしかない。ピョンヤン宣言はその模索の一つだったのではないか。
僕はその構想を持っているし、語ることもできる。いずれ機会があれば披露してもよい。
「戦時超権力」の兆候
戦争状態になると政府への抵抗や異議申し立てが出来にくくなる。
北朝鮮問題を安倍首相やその周辺が恐怖感や不安感を煽り、それを政治基盤強化のために使った。
それは靖国問題を中国や韓国の政権は政権強化のために使っていると日本の保守派が言っていることを裏返してやっただけだ。
戦争を政権が自己基盤の強化に使う場合に生じることを我々は見た。
憲法9条の非戦条項が何故大事か、その精神を現実的に生かすとはどういうことかをみたはずだ。戦時下では権力は超権力になり、異議申し立ても抵抗も困難になる。その兆候をみているのだ。
(文責 三上治)