6月24日のサンデープロジェクト
テレビの政治番組はあまりみない。かつてワイドショウだの劇場型政治だのといわれていたころは結構見ていた記憶があるから、見なくなったのは最近のことかもしれない。田中真紀子のような強烈な個性が不在でおもしろくないのだ。それでも「サンデープロジェクト」は比較的よく見る方だろう。
6月24日(日)のそれに出演した小沢一郎(民主党党首)の発言を文章にしたものを友達が送ってくれた。今回はそれを取り上げたい。
「公務員制度改革法案」
小沢の発言は国会の会期延長になった国家公務員法の問題や年金の問題が主で、憲法の問題は少し触れている程度である。
まず、この年金や国家公務員法案の問題から検討してみることにする。憲法についての発言の論評は後になるかもしれない。
国会を延長してまで与党が成立させようとしている「公務員制度改革法案」を小沢は中身のない発言であり、自民党の中川幹事長は「改革」の第一歩であるというが、正直いえば外から聞いていると良くわからないという印象がある。
生活利害集団に変質した官僚機構
小沢は自分たちこそ長年に渡って日本の官僚制度を変えようとしてきたという。
これは主として官僚に政治が依存するという政治的慣習の改革であり、政治の指導力の回復である。そしてここから発生した「政・官・財」の癒着の排除である。政治機能代行集団としての官僚機構ではなく、政治に忠誠する政策遂行集団への変革である。これは主として上級官僚機構の改革である。
小泉のいう構造改革も内容的には似ている。
日本の官僚機構は天皇の官僚として存在してきた歴史が長く、その忠誠の対象は天皇であり、国民ではなかった。政治(議会政治)よりも国家(統治権力)に関与する歴史は長く、政治が官僚に依存する体質は歴史的にできた。
国民の代表である政治が官僚の忠誠対象になるのは戦後である。
だが、政治は官僚に依存する体質を抜け切れないできた。だから、官僚機構が国民の公僕として政治(国民の代表)に忠誠心を持つように変わらなかった。むしろ、忠誠対象を自己組織に求め官僚機構を生活利害集団に変質させてきた。
まだ不明瞭な小沢の改革案
「政・官・財」の癒着を断ち切り日本の統治(政治)の体質を変え、官僚機構を変えるという主張は小沢も小泉も変わらないと言える。納得できる。
それをどう実現するのかというと、小沢の案も小泉や安倍などの自民党の案も明瞭ではなくなる。その実現がそれだけ困難であるということだが、その構想が明瞭でないためである。
小沢が「公務員制度改革法案」を中身がないだけでなく「天下り支援法」であると酷評するのはわかる。「再就職斡旋の前面禁止」という民主党案はキャリア組みの再就職という慣行を禁じる点でいくらかは前進だが、まだ明瞭とはいえない。
それは官僚機構を小さくし、政党や市民グループの中から政治的、あるいは専門的役割を果たせる個人や団体を育てていくという「日本の統治機構(権力機構)の改造」の構想がもうひとつ明瞭ではないためではないか。
(文責 三上治)